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わかっているよでわからない

カテゴリー:すいせん荘/2015年10月8日

電話のむこうで実家の父(80余歳)が

「足がすごくむんでいるんだ。歩けないくらい」


なぬ?歩けない?トイレは自分で行ける?「行ける」

おしっこは出てるの?「少ししか出ない」

医者行った?「行った。利尿剤くれた。おしっこはずいぶん出るようになった」

・・・そうか・・・いつもむくんでるの?ひくときはある?

「うん、朝とかは楽になる」

そっか、ひくときがあるならとりあえず大丈夫だね。近々そっち行くから。

「・・・大丈夫じゃないよ、そんなんじゃないんだ・・・いや、いいんだけど」

足腰は弱ったけれど、いつも健康な父の弱気な物言いが気になりました。


母曰く

「ひくときがあるなら大丈夫なんて言わないの。

どうしたの?大変だね、うんうん、って聞いてあげればいいのよ

お父さんだって心配されたいの」

母は障害者手帳を持つ。家族の心配も常に母に向きがち。

あ、そうか・・・そうだよね・・・。


数日後、電話の向こうで父が

「むくむのは心臓のせいかもしれないんだって、弁がどうしたとか。

 今度、精密検査をするんだ」

と、わりかし、元気な声、の報告が。

わかった、検査の日は一緒に行くね。

両親の気持ち、とても身近な大切なひとなのに

わかっているよでわからない・・・。



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