おたふくかぜについて
おたふく風邪は、ムンプスウイルスによって感染します。
大人より、小児に多い感染症です。ムンプスウイルスは、感染力が強く、特に潜伏期間中に一番強くなります。
免疫が無ければ大人にも感染します。大人に成ってから罹ると重症化します。
初期症状としては、一般的な風邪と似ていて、初期段階での判断は難しいようです。高熱が出て、関節や
筋肉の強張りもあるので、インフルエンザの初期に近いです。
《初期症状》1、発熱(割と高め)38度~40度位の発熱。2、喉の痛み(咳、鼻水、頭痛)
3、関節の痛み、関節の強張り
《耳の裏が腫れて痛い》 初期症状は風邪と似ているが、違いは耳の裏が腫れる事です。
耳の裏が単純に腫れているのではなく、耳下腺と言う部位が炎症を起こし腫れてしまうのです。
耳下腺以外で腫れるポイントは、顎下腺(顎の周辺) 舌下腺(舌の付け根、奥)で、唾液腺と呼ばれる
所です。つまり、そこに菌が入り込み炎症を起こし腫れるのです。腫れは、片側に出現する事が多く
両側同時に腫れる事は、めったに有りません。ただし、片側が治った後で逆側に感染することもあります。
《潜伏期間は?》 10日から20日と長い潜伏期間です。
初期症状の後、色々な症状(首や、肩の痛み、腹痛、吐き気、食欲低下、咳、鼻水)が3~5日続きます。
ピークは、2~3日で、発症から7~10日で症状は落ち着きます
通常は、一度感染すると、生涯免疫を獲得するので再び罹患する事は有りません。
しかし、現在おたふく風邪のウイルスをやっつける薬は存在しません。ウイルスに効く薬は無くても
解熱剤や鎮痛剤で様子を見ていきます。症状は落ち着くので安心です。
《大人のおたふく風邪》 合併症について
(大人の男性の場合) おたふく風邪に罹った男性の4人に1人が精巣炎になります。症状として精巣が
腫れたり、痛みを起こします。1週間程度で、炎症は治まるが不妊症に成ってしまう事も有ります。
一般に精巣炎に罹ったら、20~30%の確率で不妊症を発症します。
(大人の女性の場合) 罹った女性の10人に1人が卵巣炎を起こします。卵巣に続く卵管と呼ばれる部分が
炎症を起こし、激しい腹痛に襲われます。
『仕事に行っていいの?』 腫れが出た後、5日経過しかつ、全身状態が良くなってからと有ります。
『仕事復帰する時は?』 マスク着用、手洗い。ウイルスは腫れが出る数日前から出ています。腫れが引いて
いればウイルスの排出は終わっています。