「タカシマ」さん。
カテゴリー:デイサービス玉樹/2016年5月31日
ある日、彼女は僕の事を「タカシマさん」と呼んだ。近いけど違う。
でも、言い直さずにタカシマさんでいました。
二人の間に流れる空気に正しい名前は要らないと思ったから。
基本的に名前はきちんと覚えていなくても、「あの人」で良いと思っている。
そんな彼女が、玉樹とは違う施設という建物に行ってしまう。
ぼくたちわたしたちの力や願いでは敵わない様々な事情で。
最後の利用に近づいたある日に一緒に散歩に行って、いろいろと半生を語ってくれました。指先が無くなった日の事。耳が聴こえなくなってしまった日の事。
違う場所に行って新しい「タカシマ」さんを見つけてね。と思っていたら。
最終の利用日に「タカシマ」さんではなく本物の名前で呼んでくれた。「タカシマ」さんで良いと思っていたけど単純に嬉しかったです。
出逢えて良かったです。お元気で。